整理をする
基本的に遺族のためにするべきことは、まず遺言書をきちんと作成することでしょう。
本人が死亡したあとに最も問題となりやすいのは遺産相続に関することです。
特に大きな遺産が生じることが分かっていて、しかも利害関係者が多い場合には、きちんと遺言書を作成しておくことは必須であるといえるでしょう。
遺言書がなければ遺族同士でトラブルが起きてしまい、結果的に親族関係がめちゃくちゃになることもあるのです。
そのようなことを望まないのであれば、遺言書を残しておいて、遺産分配について明確に定めておきましょう。
基本的に遺言書は本人の意志として最大限に尊重されるべきだと法律で決まっています。
自分の死後のことについて何かお願いがあるならば、それも遺言書に書いておきましょう。
もちろん、どのようなことでも遺言書に文面があれば法的効果があるわけではないです。
それでも、最低限自分の希望を遺族に伝えることはできるため、遺言書にはメッセージをいろいろと含めておくべきでしょう。
家族に対して直接何かお願いをするよりも、遺言書の中に書いておく方が実現されやすいです。
口約束をするだけでは、やってほしいことを具体的に伝えるのは難しく、勘違いされてしまう可能性もあるからです。
遺言書を作成する際には、法的に意味のある形式で作成してください。
困ったことがあれば法律の専門家に相談して、きちんと遺言書をつくりましょう。
遺族のためにできること
できるだけ生前中に自分の資産については整理しておいて、分かりやすくまとめておきましょう。
特に権利書のような書類についてはすぐに見つかる場所に保管しておくべきです。
大切な書類については金庫の中に入れておき、金庫の開け方についてもどこかにメモを残しておきましょう。
遺言書を作成したならば、そのことを家族に伝えておいて、保管場所も教えておきましょう。
家族に遺言書について教えるのが不安ならば、公正証書として作成しておいたり、信頼できる人に預けておくという方法もあります。
こうすることによって、家族に勝手に中身を見られてしまうことを防げます。
遺産については財産分与を生きているときに行ってしまうという方法もあります。
場合によっては税金が得することもあるため、詳しいことは税理士の方に相談してみましょう。
遺族があとで困らないように、今のうちにできることをきちんとやっておきましょう。
高齢になると簡単に亡くなってしまうことが多いため、準備は早めにするべきです。
たとえば認知症になってしまうと、行動が制限されてしまい、しておくべきことができなくなります。
遺言書も本人がきちんと自立して生活できる状態でないと作成するのは困難です。
遺言書は自分自身の人生を振り返る作業になります。
自分の残したものや意思を明確にすることですっきりとした気持ちの整理をすることができます。
遺言書を残すことはけしてマイナスなことではありません。
自分のことをきちんとしておくことで遺族に迷惑をかけることもなく穏やかな気持ちになります。
自分が亡くなったあとに残る大切なものとして遺言書はあります。
何か病気などで体力がなくなるまえにしっかりとしたものを作成するようにしましょう。